【書評】オードリー・タンかっこよすぎ… 『自由への手紙』めちゃ染みる

review-jiyuuhen 個人的なつぶやき

『オードリー・タン 自由への手紙』を読んだきっかけ

コロナ初期あたりから、ずうっと気になっている台湾。

もともと沖縄は地理的に近く、またコロナ政策の成功例として注目されたあたりから興味がわき、台湾の大学の学費安いらしい情報で、がぜん私の中で大注目の台湾です。

たまたまNHKの「ズームバック×オチアイ」で落合陽一とオードリー・タンの対談を見て、「大注目真っ最中の台湾の、コロナで脚光浴びたオードリー・タン、わお!」になってしまった私。

遅ればせながら『オードリー・タン 自由への手紙』を読んで、その言葉が染み渡りまくったので、特に気になったフレーズを引用したり、感想を書いたりしてみたいと思います。

良かった本は娘に紙本を買っています

本を読むことはとても好きですが、大人になるとなかなかゆっくり読書する時間が取れません。

打ち合わせの待ち時間や飛行機での移動のときなどの隙間時間にさっと読めるように、時々、amazonプライムのPrime Readingで無料の本を探して、Kidleアプリにダウンロードしています。

そんな感じで、電子書籍で読んでよかった本や、病院の待合室で読んで思わず没頭した本、ほかの方の書評で絶賛されていた本などの中で、娘にも読んでみてほしいと思った本は、紙の本を購入してプレゼントします。

娘は、学校も毎年多読賞なるものをもらっているほどよく本を読みます。
ただ、彼女は小説が好きなので、私が強引に誕生日プレゼントに混ぜているビジネス書は喜んでいる感じではないのですが、それでもちゃんと読んでいるようです。

私たち親や学校で、普段の生活の中ではなかなか教えられないことを、こうした良書に触れる機会を得て、少しでも学びがあるといいなぁ、と思っています。

染みたフレーズ1 「支援のAI」

私たちがつくり、未来に役立てていくべきなのは、たんなるAIではなく、ましてや権威のAIでもなく、支援のAI(Assistive Intelligence)です。

どうにもこの年になり、「AI」という時代の最先端みたいな言葉を前にすると、気後れしてしまいます。

この言葉をちゃんと自分のものにしている人は、とっても得意げに目を輝かせていろいろ論じているけれども!

こちらとしては
「またなんか新しいもん出た… もう追い付いていけないよ」
「こんなん、若い人のものでしょ… 私には関係ないか」
という感じ。

でも、この本の中では、
いやいやそうじゃない、
この技術はまさに私たちの世代(アラフィフとかそれ以上)のためのものなんだ、
と言っています。

人が100歳まで生きるとして、90歳になっても現役世代のように働くことは難しいでしょう。しかし、「支援のAI」が助けてくれれば、状況は変わります。年齢を重ねてもできることが増えて、充実していくはずです。

私も50歳になり、頭も体も今より良くなることはないだろうという事実に直面する日々です。

出来るだけゆるゆると衰えていく!をテーマに、食べたり運動したり頭を使ったりするわけですが、この「ゆるゆる」をAIが支えてくれることになるのかなと思います。

今は「AI」という言葉に勝手に壁を感じてしまうわけですが、そのうち、すでに存在している様々な技術と交じり合って、私たちの生活を支える裏方の役目をはたしてくれるのでしょう(すでにいろいろなところに存在しているのかもしれないし)。

高齢者だけでなく、子供や障がい者、あるいはもっと身近に、誰もが持っている「苦手」とか「時間がない」とか「楽したい」とか、そんなこともより快適になり、人の生活を生まれたときから死ぬまで支えてくれるような仕組みなると、AIの価値が高まるのかな、と思いました。

染みたフレーズ2 「多様性」

「多様性」という言葉も、本当に最近よく耳にします。

私の人生経験の中で、「多様性を認め尊重する」ことはとても大事なものだと思っていて、子供を育てるにあたりテーマの一つにしています。

ただ、ここ数年この言葉が多用され、なんだか押しつけがましくも感じます。

先の「AI」と一緒で、「多様性」もあまりにも特別扱いされているように感じて、私のようなあまのじゃくだと、ちょっと反発心でてきちゃうんですよね…
本質は大切なことなのに。

国だけでなく企業においても、多様性が大切だとされています。
日本ではそのために「女性管理職の数を増やそう、LGBTQ+に配慮しよう、障がい者を受け入れよう」という取り組みもあると聞きます。
しかし、「違い」というものはマイノリティと称される人々だけでなく、どこであろうと、どんな人であろうと、すでに存在しています。
仮に世界のどこかに、単一の人種、民族、文化、ジェンダー、年代の人たちが働く「一枚岩の会社」があったとして、そこでも違いがある人は必ず存在するものです。

「多様性」という言葉は、「女性」「LGBTQ+」「障がい者」というような言葉と組みで使われがちですが、それだけじゃないよね、と思います。

人の多様性、というのはもっと幅広くてもっと細かい。
同じクラス、同じ職場、隣近所を見渡して、見た目も生活環境も、身長・体重・体質、髪型や服装、好きなもの嫌いなもの、性格それぞれ、同じ人は一人もいません。

私が「多様性を認め尊重する」ということを大切にしなければ!と思ったのは高校生の頃で、当時通っていたアメリカの高校でアジア人差別を常日頃受けていたからでした。

また、大人になってから、性同一性障害のお友達ができたり、宗教の違いで起きる戦争をテレビで見たり、そうした日々の生活の中でも、あちこちに多様性がいっぱい存在することに気づきます。

互いのカテゴリーの違いを超えて一人一人があとちょっとでも分かり合う努力をすれば、もっと平和でみんながハッピーな世の中になるのにな、と思います。

染みたフレーズ3 「自由とは惜しみなく与えるもの」

自分が自由を手にしたら、握りしめずに共有して、みんなを自由にする。
自由とは受け取るものではなく、惜しみなく与えるものです。

これ。
この言葉。

まだ私にはちょっとピンと来ていないんですが、なんかすごく大切でよい言葉だと感じました。

どうしたら、「自由を惜しみなく与える」ことができるのだろうと思います。

私は今、今だけでなく今までの人生の大半を、とてもハッピーでラッキーに生きています。

日本という恵まれた国で、素敵な両親のもとに生まれて健やかに育ち、社会人になってからも好きな仕事を好きなようにしてきて、お金は全く十分ではなかったけど楽しめる程度の貧乏生活だったし、好きな土地(もっぱら沖縄県内)に点々と暮らし、よい伴侶に出会えてできた娘がいる。

私が満喫しているこの自由で幸福な生活を、そうでない人にも分けられたらいいなぁと思います。

とりあえず今は、大切な家族に毎日惜しまず浴びせているわけですが、また私も彼らから幸せをたっぷりと注いでもらっています。

たぶんこのハッピー&ラッキーは、どんなに分け与えても減らない泉のようなものなんじゃないかな。

いつも「これ以上ない幸せ者だ」と思っている私です。

オードリー・タンってば かっこよすぎ

この本、あっという間に読めます。

頭良すぎのオードリー・タンですが、言葉がめちゃくちゃわかりやすい。
編者のクーリエ・ジャポン編集チームの方々も素晴らしい。

きっと誰でもスイスイ読めます。

それでいて、どれも本質をついていると思います。すごい…

オードリー・タンの本、もっといろいろ読んでみたいと思います。

で、

これ読んで、ますます台湾とオードリー・タン好きになって、今度初めての台北旅行に行きます!

楽しみです!

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