【漁の記録】サザエの気持ち

海が良く見えるレストラン 漁の記録

8月24日(水)晴れ時々曇り 南風強め うねりあり
中潮 干潮12:05
9:30出港 14:30帰港
スミイカ

今日は、初めてのイカのおうちを何か所か泳いだ。
1回に1キロとか2キロとか、多くはないけど集めていく感じ。
夫はイカのおうちを知っているので、船で近くまで寄り、私に「あの辺をあっちに泳げ」みたいに指示をするので、私はその通りに泳いでイカを探す。
イカは、もちろんじっとしているわけではなく泳いでいるわけで、リーフ縁を北から南に、南から北に、あっちからこっちまで、リーフに寄ったり離れたりジグザグに泳ぎながら、目を皿のようにしてイカの群れを探す。
何度か入っている場所なら、前回いた場所を思い出してそのあたりを念入りに探す。
初めての場所では、イカが好きそうな場所を探す。
石がゴロゴロした場所や、リーフ縁沿いの壺状のくぼみや、ロープがふらふらしているところ。
たぶん、これは完全に私の考えなのだが、「石ゴロゴロ」はイカが産卵したい場所。
イカが石の下に手を差し入れているのを見たことがある。
「壺」は外海からの大きな魚から身を守るため。
「ロープ」は…イカは何かよりどころが欲しいと思っているような気がしていて、ロープはよい目印になっているのではないかな。
そんな感じでイカの気持ちを考えたりして、そういう場所を重点的に探す。
それでちゃんと見つけられる。
イカの気持ちが少し理解できたようで、うれしい。

タコを探す時も、サザエを探す時も、イセエビを探す時も、
タコの気持ち、サザエの気持ち、イセエビの気持ちを想像する。
「私がタコだったら・・・」
「私がサザエなら・・・」
「私がイセエビだとして・・・」

たぶん、これは完全に私の考えなのだが、すべての生き物にとって最も重要なのは生きていくことで、そのために必要なのは食べ物と身を守る場所なのだと思う。
つまりは、食と住である。
衣は、まあ食住が確保できれば次に考えればよい。
海の生き物たちは何も身にまとってはいないから(うろこや殻は体の一部だし)、衣よりも次に大切なのは繁殖の相手かもしれない。
例えば、サザエを探す時には、サザエが好物そうなピンクの藻が生えている場所で、且つ入り組んだ死んだサンゴの骨格が覆って隠れやすい瀬があれば、丁寧に死サンゴの裏や隙間を探すとだいたい見つかる。
1個見つけると、その周りにいくつも見つかる。
こういう、食べ物と隠れ家がある場所にはみんな集まってくるから、きっと相手探しにも苦労しないだろう。

こうして見ていると、いったい、サザエと人と、どう違うというのだろう…と思う。
人もサザエも、タコもイセエビも、すっごい遠くから、すっごく薄目で見ると、まあだいたい一緒だ。

サザエには、私に見つかるまでに、できるだけたくさんの次の世代を生んでばらまいておいてほしい。
見つからずに済んだものたちは、その能力、その運の強さを次の世代につないでいけば、ずっと先まで生き残っていけるだろう。
私ももっと見つけられるようにがんばるから、お互いがんばろうな!

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