今日は久しぶりに風が弱く日が出て蒸し暑い日になった。
朝起きて外を見て「お、海日和」と思った。
夫はすでに出た後だった。
世の漁師はみんな、天気予報チェックが好きなのではないかと思う。
夫も夫の仲間たちも、しょっちゅう天気の話をしている。
今日明日のことではなく、1週間先、2週間先の、お天気アプリが予報する一番先の予報のことで盛り上がっている。
それで、ここしばらくずっと北寄りの風が強くて、しかも南に熱帯低気圧や台風が通過中でうねりがあったりして、なかなか漁に出られず、陸での用事をいろいろしながら、しょっちゅうお天気アプリを見て一喜一憂している夫だったのだが、昨晩、
「明日は釣りに行くよ」
と言って、小雨の中船を整備していた。
釣り、となると私は行かない、というのが私たち二人の暗黙の了解だ。
なぜなら、まず、私は釣りがあんまり好きではない。
釣りをしていると飽きてしまう。
釣れないわけではないのだが、なんか、つまんなくなってしまう。
海を泳ぐのが好きで漁をしているからだと思う。
次に、私は船酔いする。
この体質は、どれだけしょっちゅう船に乗っていても変わることができなかった。
思えば小さいころから、遠足のバスで酔うタイプだった。
釣りは、素潜り漁より格段に揺れる沖合で行うので、私は「体質+つまんない=酔う」から逃れられない。
当然酔い止めを飲んでいるが、船上では常にイマイチの体調が続くのでなんかちょっと不機嫌になってしまう。
夫も私もお互いに気を遣うことになる。
それから、釣りは朝早く&夕方&なんなら夜、釣れる。
まだ中学生の娘を一人置いて夜遅くまで家を空けておけない。
かといって、私が家を留守にできる時間に釣りに出かけると、あんまり釣れないか、釣れ始める夕方には帰らなければならないので、夫が思う存分釣りができない。
釣れなければ収入にならないのだから、釣れる時間に釣りをしたほうがいい。
そんなわけで、「釣り」となると、夫は前の晩からウキウキと準備して、翌朝は私が起きる前にもう家にはいないのだ。
そして、先ほどLINEが来たが、「帰りは遅くなるよ」とのこと。
釣れているのか、釣れ始めたのか、釣れないから粘るのか、わからないが、せっかくの久々の海、楽しんでもらいたい。
せっかくの海日和に陸にいる私はちょっとつまんないのだが、夫が楽しそうなら、まあ、いい。
帰ってきたら、「夕方からどんどん食いだしてさ~」なのか、「食った魚がサメにとられた~」なのか、「今日は見たことない魚釣れたよ、売れるかな~」なのか、とにかく土産話をゆっくり聞いてあげるとしよう。
釣りは年をとってもできる漁なので、一応、いずれは私も一緒に行って、釣りをしたいと思っている。
釣りの楽しさに目覚める日が、いつか来るかもしれない。
みんなそう言うしね。