【宮古島の暮らし】サトウキビの植え付け

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宮古島の暮らしサトウキビの植え付け

台風は予報の南・西寄りを進み、宮古島では今回は風が強いな~くらいで済んだ。
それでも海は波とうねりが大きくて、海仕事は休み。
やっと重い腰を上げて、サトウキビの植え付けにとりかかっている。

畑仕事は我が家のメイン仕事の一つだ。
基本は漁をやり、時々畑の世話をする。
畑ではもっぱらサトウキビを育てている。
宮古島の基幹産業である。

サトウキビは、えらい。
畑に植えて、適度に世話をしてやればすくすくと育つ。
台風が来たら倒れるけど、また起き上がり、空に向かって伸びていく。
なかなか雨が降らない時期も、その辺の野菜たちに比べたら相当辛抱強い。
兼業農家には強い味方だ。

そして収穫時には、素晴らしい水分補給になる。
おじいはキビ刈りの時にのどが渇くと、彼曰く「おいしそうな」キビをカマでスパッと切って、歯で皮を剥きとり、ガジガジとかじってキビ汁を滴らせていた。
それはそれはおいしそうで、畑でお手伝いと称して遊んでいた娘が走ってきて「私もほしい!」とねだり、おじいからキビの向き方やかじり方を教わってよく食べていた。
私も皮むきに挑戦したがあまりうまくはできなかった。
それでも、少しだけ見えるキビの繊維にはたっぷりと水分が含まれていて、かじると甘いキビジュースが口からあふれるほどジュワ~と出てきた。
なんだこれ…
最高じゃん!
ミネラルたっぷりで、ポカリスエットいらないじゃん!
疲れた体に染み渡った。

サトウキビの苗はこの芽が大事!

サトウキビの苗はこの芽が大事!

サトウキビの苗はサトウキビそのものだ。
だから、キビ植えはキビ刈りから始まる。
腰に持病を抱える夫は、畑で何度もかがまなくて済むように、最近は草刈り機でキビを倒している。
倒したキビの葉を落とし、上の方の緑の葉の部分をカットする。
裸になったキビの節々には、よく見ると小さな芽がある。
黒く腐っていたり、虫がついていたり、伸びすぎていたりする芽をよけて、良さそうな芽を見ながら、2~3節、30~50cmでキビをカットする。
それが苗になる。
その苗を、畝に置いていく。
苗がぎっしり入った肥料袋を持って畝に沿って歩きながら、1本1本ポイポイと並べていく。
その後、その上に必要な肥料と農薬を撒く。
そして、足でわきの土を寄せてかぶせ、上から少し踏む。
そうやって、苗の入った袋を抱えながら、農薬や肥料の入った容器を背負いながら、片道100mの畝を何往復か歩いて、ようやくキビ植え作業が終わる。

手作業は大変だから、最近は機械でやる人も多い。
我が家も以前は機械でやる方法も試した。
でも、夫は納得いかず、「やっぱ人の手でやった方がいいな」となり、昔ながらの方法でやっている。
そんなに広い畑でもないし、家族でできるし、必要なら手伝ってくれる親せきや近所の人がたくさんいる。
何より、私も昔ながらのこの方法が好きなので、夫がやりたいようにやることに異論はない。

おじいが亡くなって農地の相続の手続きを行ったとき、実感したことがある。
それは、「畑ってすごい」ということだ。
土地として売りお金に変えてしまうと、農地は二束三文にしかならないが、サトウキビを植えれば毎年お金を生み出す。
自分で植えられなくても、人に貸してもいい。
まあ、貸し賃は大したお金にならないが、自分の土地でさえあれば、やる気が出たらやればいいし、やれなくても子供に引き継げば農業をやるかもしれない。
サトウキビなら、週末農業でも十分育てていける。
時間をかけて手入れできるなら、かぼちゃや枝豆やオクラを栽培してもいい。
元手の畑さえあれば、上モノの収穫物で毎年お金を稼げる。
稼げなくても、少なくとも食べものが手に入る。
畑があれば何とかなる。

noteに書いた記事を見て、昨年も今頃の植え付けだったことを思い出した。
10月なんて、島の人たちはあらかた植え終わっているのではないかと思う。
本当は私たちも、みんながよく言う「旧盆の頃にキビ植え」を実行したいけれど、夏は何かと忙しい。
ついつい、イカとかイセエビとかを優先してしまう。
それに、暑い!
私は暑さに弱くてすぐ熱中症になってしまうので、夏に畑になんて、作業どころかただ立ってるだけでもひっくり返りそうだ。

では10月に入った今は畑に行っているかと言えば…
ムリ…
まだ暑い、暑すぎる。
私がしたのは、日陰で苗を袋に詰めただけ…
寒いのは嫌いで、暑さには弱い、ダメダメなヤツ、
それは私です…

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